現在40代の専業主婦です。小学生の子供がおり、学校に行ってる間だけ販売業のパートに出かけています。
主人とは高校時代からの付き合いの腐れ縁です。
初めて付き合ったのも主人で、大学社会人と別々の道に進み、約10年付き合った後に結婚しました。
普通に考えれば、お互いがお互いともパートナー以外の異性を知らないことにはなっていますが、ここは20年間の歴史があります。
2人とも隠してることは多々あると思います。
主人が浮気をしたら?と考えたことはあります。しかし不思議と嫉妬ややきもちという感情はわきません。
「こんなタイミングでするんだ」「意外なタイプの女性が好きなんだ」と、どこか男友達をからかうような気分にすらなるのです。
主人の浮気。優位になった、不思議な気分
一度結婚してから主人が決定的に浮気をしたことを知ったことがありました。
あるツテで事実を確認したので間違いないです。
その時の率直な気持ちも実に不思議なものでした。
悔しいとか腹立だしいという気持ちの前に、精神的に自分の方がすごく優位になった気分になったのです。
主人は私が浮気を知ったことを今でも知りません。いざという時のための貴重な切り札を手に入れたようなそんな気分でした。
いつその切り札を使おうかと私はずっと思っていました。
毎日子育てとパートと家事の繰り返しで、自分だけの時間を欲しいと思ったことは多々あります。
私の周りには自由な友達が多く、パートナーがいながらも恋人を持ってる友人もいました。
そんな友人の話を聞くのはいつも刺激的で、ただ自分が真似をしようと思ったことはありません。危険がとても大きいからです。
リスクを背負わず、それでも女性としての自分を楽しみたい。そういう思いが強くなってきていました。
そんな時に元職場の男性上司から連絡が入ったのです。
元職場のパワハラ系上司から数年ぶりの連絡
子供を産む前にずっとフルタイムで働いていた会社があります。
その中に4つ年上の上司がいました。見た目はまあまあイケメンなのですが、少しパワハラ気味なところがあり、部下からは煙たがられていました。
本人も周りから敬遠されてることを気が付いているのですが、自分の信念を曲げることはせず高圧的な態度を貫いていました。
みんなが怖がって近づかない中、私は平然とその上司に向かっていく人でした。
本当はすごく気が小さくて寂しい人なんだろうなと思っていたからです。
パワハラの人は、その人の性格のクセさえつかめば、逆に扱いやすい人だと私は思っていました。
またその上司のぶれない信念や、お客様のために最善を尽くそうとするプロ意識を尊敬していました。
上司も私のことをすごく可愛がってくれました。
何かと贔屓にしてくれて重大な仕事も任せてくれたものです。
「君は僕のこと怖くないの?」と聞かれたことがあります。
「強硬な鎧をまとった方なのかなと思っています」と僭越ながら答えた記憶があります。
上司とは個人的なメールアドレスの交換をしていて、独身時代はたまに食事に誘ってくれました。
お互いにパートナーがいることを知っていたので、それ以上の感情を全く持っていませんでした。もちろん何かがあったこともありません。
そんな上司から実に数年ぶりに連絡をもらったのです。
「時間ができたら会わないか」というメールでした。
外にお酒に飲みに出たかったことと、久しぶりに上司と話をしたくて私は快く承諾しました。
そしてすぐに会う機会を設けたのです。
正直に上司との会食と言った
主人には正直に職場の元上司とご飯を食べに行くと話をしました。
二人きりだと思わなかったのか、快く送り出してくれました。
今までもそうなのですが、いつ誰とどこに行くのか?それは男か女か?ということを、気にしない人でした。
私は少し物足りなく感じる時もあったのですが、今回はそのことが功を奏したと思っています。
上司が指定した居酒屋さんに向かいました。元々下戸の人なので、私だけ遠慮せずお酒を飲ませてもらいました。
「車で来てるから帰りは送るからね」と言ってくれました。
会社がどういう状況なのか愚痴も交えて色々教えてくれました。
「あの頃が一番楽しかった」「君みたいな骨のある子は今はもういないよ」ということを言ってくれました。お世辞でも嬉しかったです。
上司は離婚協議中。自然にホテルへ
いつのまにか話は上司のプライベートな部分になりました。
永年連れ添った奥様と離婚に向けて協議を進めているということでした。
とても子煩悩な人だったので、二人の子供とはこれからも関わっていきたいと話していました。
そのまま自然な流れでホテルに行きました。
おそらくこれで一回きりだろうということを、お互いがよくわかっていました。
途中で私の夫婦関係を聞かれました。
「とても仲がいいし、主人のことは大好きです」ということを笑顔で伝えました。
帰りは我が家の近くのコンビニまで送ってもらいました。
なんとなく家の前まで来てもらうことに気が引けたたからです。
コンビニの駐車場で20分程話をしました。
「時代が変わったからね。もう昔のようにパワハラはしていない」と話す横顔は昔に比べてだいぶ丸くなったと思いました。
上司から連絡はなし。優越感、罪悪感もなしのドローへ
上司と別れて家路につこうとした時、コンビニから主人が出てきて驚きました。
タバコを切らして買いに来たということです。
いつからコンビニにいたのか、駐車場に永く停まる車のことを見ていたのではないかとドキドキしましたが、一切そのことに触れることはありませんでした。
「どう楽しかった?」笑いながら聞く主人はいつもの主人でした。
久しぶりに手を繋いで夜道を子供が待つ家に向かって歩きました。
上司からはその後メールが来ることはありませんでした。私からもしていません。
奥様との離婚は成立したのかな?とたまに思うことがありますが、どちらにしても私の生活には何の関係もありません。
主人への罪悪感もありません。同時に私が持っていた優越感もなくなりました。
これでドローという感じです。
もしもパートナーの浮気で苦しんでいる人がいたら、その苦しみを自分の免罪符に換えてみることをお勧めします。
自分も羽目を外すことで、相手に許す感情が芽生えます。もしも問い詰められた時には浮気の事を引き合いに出すだけです。
人生は永いです。夫婦生活も永いです。
「男として」「女として」生きることを実感するためにも、後に引かない火遊びは、お互い様でいいのではないでしょうか。