彼以外の人に心を奪われてはいけないと思っていました。
彼はとても真面目で優しくて、ケンカなんて一度もした事がありませんでした。
そんな彼に、私はいつしか少し冷めた気持ちになってしまいました。
彼は真面目なんですが、いわゆるサプライズ的な事は苦手でしたし、記念日もすぐに忘れてしまうような人だったんです。
友達の彼氏なんて、誕生日にはサプライズパーティを用意してくれたり、記念日には何か記念に残るようなプレゼントをくれたりしていました。
別に、プレゼントが欲しいという訳ではないのです。
ただ、時々は私が驚くような事をして欲しいというだけなんです。
デートと言っても、私から誘わないとどこにも行かないような人だし、クリスマスだって、私がいろいろセッティングしないと、全然普通の日と変わらないんですもの。
新入社員のA君が入社
そんな退屈な日々に飽きてきた時に、会社に新入社員のA君が入社してきました。
陽気な人で、男性からも女性からも人気があるようなタイプの人でした。
ある時、残業が終わった後で居酒屋に誘われたんです。
仕事の事で相談があるって言われると、断りづらくなってしまい、私はA君と居酒屋に行きました。
相談内容は、なかなか仕事のペースが掴めない事だったり、人間関係が難しいというものでした。
A君の相談を聞いている内に、いつしか私は彼への愚痴をA君に話していました。
お酒が入っていたせいもあるのですが、A君が親身に聞いてくれるので、ついつい何でも話してしまったんです。
それから、A君とはかなり親しくなっていきました。
A君には遠距離恋愛している彼女がいて、メールも最近来ないという悩みがありました。
彼女が浮気しているかもと悩んでいるA君を、私は励ましました。
酔った勢いで関係。恋人同士になり退屈から逃れる
そんなA君とある日、酔った勢いで関係を持ってしまったんです。
どうしょうと思いましたが、彼とはタイプの違うA君に惹かれているのも、本心だったんです。
そして、A君も私に好意を抱いてくれました。
私達は、互いにパートナーがいながらも、まるで恋人同士のような関係を続けていく事になりました。
退屈な日々から抜け出したかったのが、浮気した理由だと思います。
A君とのデートは、彼とは違って楽しいものでした。
お洒落なバーに行ったり、夜景が綺麗な公園に行ったり、彼とは経験した事のないデートは、私にとってはかなり新鮮なものばかりでした。
そうだよね。恋人同士って本来はこういうデートをするんだよね。と、いうウキウキした気持ちが続きました。
もちろん、彼に対する罪悪感もありましたが、乙女心も分からないような彼の方にも問題があると思ったんです。
彼とは、別れようかと思い始めるようになりました。
彼と別れようと思い始めるが…
彼は仕事が忙しいと言うだけで、私が浮気をしている事なんて、全く気付かないんですもの。
こんな鈍感な男とは別れた方が良いのでは?と、思い始めていました。
A君の方も彼女とはうまくいっていなかったみたいで、私達は互いにパートナーとは別れて、真剣に交際をしようと話し合うようになりました。
なのに、私はワガママかもしれないのですが、いざ別れようと思うと、彼との思い出が浮かんでくるんです。
出会った頃は、彼の真面目さが好きだったんです。
不器用で、乙女心の分からない彼の事を、純粋な人だと思っていたのに。
いつから私は、彼に自分の理想を押し付けるような気持ちになってしまったんだろう。
同僚のSさんから浮気相談。相手はなんと
私は、彼を選ぶべきか、A君を選ぶべきかで悩みました。
そんな時です。
同僚のSさんから相談されたんです。
内容は、今浮気をしていて、彼と別れて浮気相手と付き合おうか悩んでいるというものでした。
私みたいな人もいるんだと話を聞いていると、なんだか見覚えのあるペンダント。どうしたのか聞くと、浮気相手からもらったというものでした。
私も持っているんです。彼女と同じハートのペンダント。
私は思いきって聞いてみました。もしかしたら、浮気相手はA君なのかと。彼女は何で分かったのかと驚いていました。
どうやら、A君は遠距離恋愛を良いことに、彼女がいない寂しさを身近な女性で埋めようと思っているタイプだったんです。
私は速攻でA君に別れを告げました。
でも、浮気をした事は後悔していません。
なぜなら、A君とのデートは本当に楽しかったんです。
女性としての楽しみも感じたい
やっぱり女性としての楽しみも感じたいですよね。
真面目な彼は、将来の事を考えると間違ってはいなかったと思うんですが、やっぱり女性としての楽しみは大切ですよね。
もちろん彼に対する罪悪感はありますので、浮気を進んでしようとは思いませんが、もしかしたら出会いがあれば、また浮気をしてしまうかもしれません。
その時には、同じ職場の人は避けた方が良いですね。
A君とはその後ももちろん顔を合わせていてたのですが、気まずいと言ったらありませんでした。
浮気は所詮浮気と割りきる必要があるのだと思いました。
その為には、やっぱり同じ職場の人は避けた方が後腐れもないですし、別れやすいですよね。
結局、A君とは私が会社を辞めるまで、プライベートで口を聞く事はありませんでした。